歯周病治療

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歯周病治療

歯周病について

歯周病について

生活習慣病の1つで日本人の約80%の人が罹患しているといわれるこの病気。40~50代で重症化しやすいことから20~30代のうちに早期発見して、適切な治療をうけることが重要になってきます。

歯周病は歯に付着したプラーク(歯垢)が歯と歯肉の間に入り込み、歯を支える骨を溶かしていく骨の病気になります。支えている骨が溶けてなくなるので、だんだんと揺れていき抜け落ちてしまいます。また、お口の中全体に広がるだけでなく、自覚症状が少ないため気づいた時には手遅れになっていることも多いのです。

歯周病と全身疾患

糖尿病、認知症、肥満、動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)、アルツハイマー、早産・低体重児出産、誤嚥性肺炎など。歯周病は細菌性の疾患ですが、この細菌のだす毒素が血液を介して全身疾患を引き起こすのではと考えられています。

当院では『日本歯周病学会』の認定を受けた認定医が常勤しております。症状がないから安心している方、気になってるけど忙しくて歯医者に行けていない方、一度口腔内のチェックを受けてみてはいかがでしょうか?

当院の歯周病治療の特徴

歯周病治療野特徴、診療方針

特徴1 歯周病認定医による
専門的な治療

大学病院や勤務医時代に研鑽を積み、多くの症例を経験してきました。
歯周病治療において最新の技術や治療法を常に学び、取り入れることで、より効果的かつ快適な治療を提供することを目指しています。患者様とのコミュニケーションを大切にし、丁寧に説明をすることで、患者様が治療に理解を持ち、安心して治療を受けられるようにしています。

定期的なメンテナンスや予防にも力を入れており、患者様が健康な歯と歯茎を保つことをサポートしています。

日本歯周病学会 認定医

下村 昌豊

下村 昌豊

歯周病は放置すると進行し、歯を失う原因にもなります。早期発見・早期治療が重要ですので、定期的な検診を受けることをお勧めいたします。日々進歩する技術と機器を駆使し、皆さまのお口の健康管理から、充実した日々の生活が送れるお力になれるよう邁進していきたいと思っております。

経歴

  • 昭和大学歯学部 卒業
  • 神奈川歯科大学付属・横浜クリニック 研修
  • 神奈川歯科大学付属・横浜クリニック 医員
  • 美しの森デンタルクリニック 勤務
  • 鎌倉デンタルクリニック 勤務
  • 新橋しもむら歯科クリニック 勤務

所属学会

  • 日本歯周病学会 認定医
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
  • 日本顕微鏡歯科学会 会員
  • 神奈川歯科大学付属横浜クリニック 非常勤

● 参加講習会
・JIADS ペリオコース
・JIADS 補綴コース
・JIADS インプラントコース

特徴2 マイクロスコープを使用した
歯周病治療

当院はマイクロスコープを完備しております。
歯周病の基本的な治療であるスケーリングやルートプレーニング時にマイクロスコープを併用することで、肉眼では確認できない小さな歯石や細菌に汚染された歯肉(不良肉芽)を徹底的に取り除くことが可能です。

歯周外科治療においても、低侵襲で、なおかつ細部まで確認しながら行うことができ精密な治療が可能となります。

治療前

治療後

医療機器について

特徴3 再発防止と定期的な検診で
口腔内の健康維持、
サポートをしていきます。

歯周病の治療で大切なのは、プラークコントロールです。これはクリニックでの治療(プロフェッショナルケア)だけではなく、患者様ご自身でのセルフコントロールも重要となってきます。

当院では、患者様それぞれのお口にあった歯ブラシの当て方や、使用器具の取り扱いなど丁寧にお伝えし、実際に実践して頂けるよう時間を取らせていただいております。

また、定期的な検診と、マイクロスコープを使用して確認することで早期発見・再発防止をし、お口の健康を維持できるようサポートしていきます。

歯周病症状の段階

  1. 歯肉炎歯と歯肉の間(溝)にプラーク(歯垢)がたまり歯肉に炎症が生じます。 歯肉炎
  2. 軽度歯周炎歯肉は赤く腫れ、歯を支えている骨が溶け始めます。 軽度歯周炎
  3. 中等度歯周炎支えている骨が少なくなるのでぐらついて、食べづらくなります。 中等度歯周炎
  4. 重度歯周炎根の先端の方にしか支える骨がない状態で、抜ける寸前の状態です抜歯になることが多い状態です。(※ケースによっては再生療法で歯を抜かずに済む可能性もあります。) 重度歯周炎

歯周病になる原因

歯周病になる原因

原因はプラーク(歯垢)で、その中に存在する歯周病菌が出す毒素です。このプラークは日々作られ、さらに18時間経過するとバイオフィルムを形成し、ますます細菌が繁殖していまいます。

歯周病の原因となる主な細菌とは?

歯周病菌といわれる細菌はおよそ30種類
と言われていますがその性質から大きく2つにわけることが出来ます。

1つ目は好気性菌
歯肉の表面に張り付き歯肉に炎症を引き起こさせるものです。

2つ目は嫌気性菌
『歯周ポケット』の中に住みつき、毒素や酵素を分泌して、歯肉や骨(歯槽骨)を侵襲していきます。

この細菌をできるだけ減らすこと、大本であるプラーク(歯垢)を徹底的に取り除くことが歯周病治療の目的となり、ご自身でのセルフケアとプロフェッショナルケアが重要となってきます。

歯周病になりやすい人

● 先天的
生まれ持った体質で、遺伝的要因がある方もいらっしゃいます。ご両親のどちらかが歯周病で多くの歯を失くしてしまってる場合は、自分もその可能性があると考えた方がいいでしょう。その方は、意識的にクリニックを受診する習慣をつけて、リスクを回避してあげることが重要となります

● 後天的
バランスの悪い食事や、睡眠不足、ストレス、肥満など、きちんとした生活習慣を心がけることも大事になってきます。中でもたばこは高リスクで、吸う人は吸わない人と比べて4倍近く歯周病になりやすいとも言われています。たばこに含まれる化学物質は出血を抑えたり、歯肉を硬くし、症状をより気づかせにくくします。それにより発見が遅くなったりします。
また、末梢の血流も阻害するため歯周病の治癒を遅らせたり、口腔内だけでなく、糖尿病や高血圧といった全身疾患への影響もでてきます。

歯周病のセルフチェック

  • 歯ブラシしてて出血する
  • 歯肉が腫れて赤くなってる
  • 噛むと歯が揺れて、ぐらぐらする
  • 口臭が気になる
  • 歯肉から膿がでる
  • 歯が伸びた、歯茎が下がった感じがする

歯周病の怖いところは無症状で進行していくということ。上記のようなサインが出ているときは、すでに歯周病が進行している可能性があります。1つでも思い当たるものがあれば、ご気軽にご相談ください。

歯周病と歯槽膿漏・歯肉炎

歯周病と歯槽膿漏・歯肉炎

歯周病とは

細菌が出す毒素で歯周組織が侵襲を受ける感染症のひとつで、歯周組織に炎症が起こる病気を総称して『歯周病』と言います。

歯周組織とは、歯肉(歯ぐき)、セメント質、歯根膜、歯槽骨で構成され、これら歯周組織が炎症によって侵される病気が歯周病となります。

歯肉の表面から深度をすすめて、段々と進行し歯槽骨を破壊していきますが、歯周病はこの進行段階により『歯肉炎』と『歯周炎』に分類されます。

歯肉炎とは

炎症が歯肉に限られるものを『歯肉炎』と言います。

歯肉炎の原因菌は好気性菌と呼ばれ、酸素を好む為歯肉の表面に棲みつき炎症を引き起こします。

炎症を起こした歯肉は赤くなり、腫れて盛り上がっていきます。

この段階で、プラークや歯石の除去などケアを行えば健康な歯茎を取り戻すことが出来ます。

症状に気が付きにくく、歯周炎につながる

歯肉炎のやっかいなところは痛みがほとんど無いため、自分自身で気づきにくいのです。

歯を支える骨(歯槽骨)は侵されないので、歯がぐらぐら揺れることもなく、起床時に口の中のネバつきや、ブラッシング時の出血などの症状はありますが日常生活に支障をきたすほどではない為、見過ごされることが多いです。

また、一過性で治ったり、発症したりを繰り返す為、症状が治まると油断されがちで、
気づかない間に進行し、いつの間にか骨が破壊される歯周炎と進んでしまいます。

歯周炎とは

歯を支える骨(歯槽骨)を含めた歯周組織にまで炎症が広がったものをいいます。

歯周炎の原因菌は嫌気性菌と呼ばれ、
酸素が嫌いなため、歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)に潜り込んで繁殖し、この歯肉溝に嫌気性菌が棲みついてしまったものを『歯周ポケット』と呼びます。

この嫌気性菌は、歯周組織を破壊する細胞内毒素を持っていて、歯肉への炎症だけでなく、歯を支える骨(歯槽骨)を破壊していき、放っておくと膿が出はじめ、グラグラと揺れていき、最終的には抜けてしまいます。
これが歯周炎です。

歯周病の進行具合は、この『歯周ポケット』と呼ばれる溝の深さを計測することで病状のおおよその進行段階を把握することができます。
深くなれば深くなるほど重症になります。
*歯槽膿漏→歯周病の中でも特に侵襲が進行しているものを指します。

歯周病と口臭の関係について

歯周病と口臭の関係について

口臭には「生理的口臭」「病的口臭」「飲食物や嗜好品による口臭」「ストレスによる口臭」「心理的口臭」といくつか分類されます。

そのうちの病的口臭に関して、90%は口腔内に原因があるとされます。
中でも、歯周病は相関性が高く、特に歯周炎の原因である嫌気性菌は代謝の過程で硫化水素やメチルカプタンを産生し、これが口臭の元となります。

また、進行した歯周炎では歯茎から常に膿が出る状態となる為、さらに強い口臭へと発展します。

歯周病治療の流れ

歯周病治療の流れ

精密歯周病検査

当院では歯周病かどうかを正確に診断するため、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)を6点法と呼ばれる方法でチェックすることから始めます。1点法、4点法と検査の方法はありますが、詳しく調べる為に当院では6点法を採用しております。

健康な状態であれば1-2㎜、軽度から中等度であれば3-5㎜、重度の場合は6㎜以上とおおよその目安が決まっています。その為、歯の周囲を6カ所に分けて、プローブという専門の器具を使い検査していきます。それと合わせて、骨や根の状態は口腔内からは目視で確認できない為レントゲン検査も行います。

  1. 歯肉炎や初期の歯周炎 ・スケーリング・ルートプレーニング
    歯の表面についた歯石の除去、歯周ポケット内の歯石や歯周病菌により汚染されたしまった歯質も一緒に除去し、歯や根の表面をツルツルに仕上げ、短期間でのプラークや歯石が付着しにくくします。
  2. 中等度以上の歯周炎 ・ルートプレーニング及び歯周外科処置
    中等度の場合でも歯周ポケットの深い場合は、歯周外科処置(フラップオペレーション)を行う必要があります。歯肉を切開し、歯根の奥底にへばり付いた歯石や汚染物質を目視で確認しながら取り除く方法です。麻酔を使用し、なるべく痛みのでない治療をしておりますのでご安心ください。
  3. 重度の歯周病 支えている骨の形態の修正が必要であったり、骨の機能回復の為に歯周組織再生療法を使用して処置する場合があります。状態によっては、保険適応外の処置が改善をご提示する場合がございます。
  4. メンテナンス 歯周病は治療が終わってからも重要で、いかに口腔内を清潔に保つかにかかっています。毎日のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアで、再発防止と健康維持をサポートしていきます。
初診の方へ

歯周病治療の
治療期間について

歯周病治療の治療期間について

歯肉炎・軽度歯周炎の場合

基本的にはスケーリング、ルートプレーニングとセルフケアの指導と実践となります。

治療期間はおよそ1ヵ月~2ヵ月程度で口腔内の状態や、セルフケアの程度によって前後はします。
費用は保険適応となります。

中等度歯周病の場合

スケーリング、ルートプレーニング、その後の再評価にて、歯周ポケットが深い場合などは、歯周外科処置(フラップオペレーション)を行う必要があります。
治療期間は3ヵ月~6ヵ月程度で費用は保険適応となります。

重度歯周病の場合

歯槽骨(歯を支える骨)の機能回復の為に歯周組織再生療法を使用して処置する場合があります。また、術前の診査にて(CT撮影など)骨移植を併用する場合もあり、状態によっては保険適応外の材料を使用した処置をご提示する場合がございます。
治療期間は3ヵ月~1年程度となります。

*治療期間についてはおよその目安になります。
歯周病の状態や治癒の経過で前後する場合がございます。

歯周病を予防するために
必要なこと

歯周病を予防するために必要なこと

歯科医院で行うこと

歯周病の治療の基本であり、
予防していく方法は『プラークコントロール』です。

『プラークコントロール』とは口の中のプラークを少なくし正常な状態を保つことです。

歯面にこびりついたバイオフィルムや歯石をドクターや衛生士によるPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)で除去し、患者様それぞれの口腔内の状況に合わせたセルフケアの指導と定期的なメンテナンスにて早期発見や、お口の健康状態を維持するサポートをしていきます。

予防歯科について

自宅(患者様自身)でできること

セルフケアによるプラークコントロールの実践(歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス、洗口液等)と
間接的に歯周病の進行に関与する全身的リスクファクター(食生活、喫煙、ストレス、肥満や糖尿病等)を、
自分自身で把握し、弱点を改善していく、リスクコントロールをしていくことがとても大切になってきます。

歯周病は歯の問題だけ
ではすまない…

① 糖尿病

糖尿病

糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが悪くなり、血糖値が以上に高くなる病気です。血糖値が高い状態が続くと、血管に負担がかかり全身のあちこちの血管が障害されます。その結果、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎炎、糖尿病性神経障害など、さまざまな合併症をもたらします。この高血糖の状態は、歯肉にも悪影響を生じます

それは血流が悪くなるため、歯周組織は酸素や栄養不足に陥り歯周病菌が繁殖しやすい環境になる為です。また、糖尿病になると全身の免疫力が低下するので、歯周病菌と十分に闘うことが出来ない状態となります。
さらに、唾液の分泌が低下し口が渇きやすくなります。唾液には細菌の増殖を抑える作用があり、唾液の分泌が低下すると歯周病の細菌はますます活発になります。

以上のように糖尿病は歯周病を悪化させる危険因子である一方で、歯周病が糖尿病悪化の危険因子になりうる逆の作用もわかってきました。

歯周病による炎症が長期化すると、炎症の過程でつくられるサイトカイン(TNF-α)が増え、活性が増してきます。このサイトカインには血統をコントロールするインスリンの働きを阻害する作用があり、糖尿病に歯周病を併発しているとさらに血統をコントロールできなくなり、糖尿病の治療を妨げたり、悪化させたりしてしまうのです。
歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究報告も報告されています。

② 心臓・血管疾患のリスクを高める。

心臓・血管疾患のリスクを高める

歯周病にかかっている人はそうでない人に比べて、狭心症や心筋梗塞にかかる危険性が約2倍も高いといわれています。これには動脈硬化という血管の病気が深くかかわっています。動脈硬化とは血管の内壁にコレステロールなどが付着し、血管が固く狭くなった状態を言います。動脈硬化が進行すると、血栓(血の塊)ができやすく、血管がつまったり、血管が破れて出血するなどの危険性が高まります。

狭心症や心筋梗塞は心臓に酸素と栄養を供給している冠状動脈の動脈硬化によって引き起こされます。冠状動脈の血流が不足して、心臓が酸素・栄養不足に陥ると狭心症となり、さらに酸素と栄養の供給が完全にストップすると心筋梗塞に陥り、心臓は壊死してしまいます。以前はコレステロールなどの脂質が血液中に多くなりすぎる高脂血症が、動脈硬化の大きな原因とされてきましたが、最近の研究では細菌やウイルスの感染が動脈硬化の発症に深くかかわっているという見方が出てきました。血管の内壁に炎症が起こり、これが動脈硬化の発症・悪化の引き金になっているというのです。

動脈硬化を起こした血管壁から、歯周病菌が発見されたという報告は多々あります
歯周病菌が歯肉の血管を介して全身の血管に広がり、動脈の血管壁に感染して炎症を引き起こします。結果、狭心症や心筋梗塞、さらには脳卒中などの危険性を高めるのです。

③ 心内膜炎・誤嚥性肺炎

心内膜炎・誤嚥性肺炎

歯周病は歯周病菌による感染症です。その為、歯周病菌が歯肉の血管から全身に広がることで全身の様々な臓器に新たなる感染症を引き起こすことがあります。

なかでもよく知られているのが心内膜炎です。
心内膜炎とは心臓の内側を覆っている膜のことを言い、心内膜に細菌が感染して炎症を起こす病気が心内膜です。心内膜炎の原因菌の約半分は口の中の細菌(口腔常在菌)のひとつである緑色連鎖球菌ですが、こが歯周病の原因菌のひとつとされています。口の中の砂金はしばしば血管に入り込んでいるのですが、健康な人の場合、免疫による防御機能が働き、入り込んだ細菌を撃退しているので感染することは滅多にありません。
しかし、口の中の細菌は非常に付着する力が強く、ときに心臓弁膜などに定着して増殖し、心内膜炎を起こすことがあるのです。中でも歯周病菌は外毒素である白血球毒素を持っており、免疫細胞である白血球に抵抗して心臓弁膜に付着・定着するといわれています。また、歯周病細菌は血管を介さずにほかの臓器に感染することもあります。

誤嚥性肺炎は食べ物や飲み物が誤って器官に入り、その際に口の中の細菌も一緒に入り込むことで起こります。誤嚥性肺炎の原因菌としても歯周病菌は良く知られています。誤嚥性肺炎は特に高齢者に良く起こる病気ですが、歯周病もまた高齢になるほど増えてきます
加齢に伴い、歯周病予防が重要であり、全身へのリスク管理にもなってきます。

④ 妊婦・胎児にも影響が…

妊婦・胎児にも影響が…

妊娠中に歯周病にかかっていると、通常の出産に比べて、早産や低体重児出産の危険性が約7倍になるという報告があります。

アルコールやたばこが妊婦や胎児に与える悪影響は、みなさんもよくご存じかと思います。
しかし、歯周病の悪影響はアルコールやたばこの約2倍と言われています。早産とは妊娠期間22~36週の出産を言いまが、早産は妊娠周期が短いほど、胎児に大きなダメージを強いることになります。一方、低体重児出産とは、出生児の体重が2500未満で生まれた赤ちゃんのことを言います。低体重児出産の原因は早産が多いのは当然ですが、子宮内での胎児の発育が遅れることも多く、その原因としては妊娠中毒症や喫煙、そして最近は歯周病も危険因子の1つとして取り上げられています。

歯周病の炎症の過程では、細菌と戦うためのサイトカインなどの生理活性物質が作り出されます。その1つにプロスタグランジンという物質があり、プロスタグランジンには子宮を収縮させる作用があるのです。この作用はとても強力で陣痛促進剤として使用されるほどです。妊娠の早い時期からこの作用を受けていると、予定日まで日数があるのに陣痛が促進され早産となってしまいます。
また早産にならなくとも、頻繁に子宮の収縮が起こっていると、胎児は胎盤から十分に酸素や栄養をもらえず、発育が妨げられます。

⑤ 喫煙のリスクファクター

喫煙のリスクファクター

喫煙による害というと真っ先に挙げられるのがガンでしょう。欧米の研究によるとガン全体の30%、肺がんの90%近くが喫煙の影響と考えられています。その他にも喫煙は肺気腫など呼吸器系の病気、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因として知られており、妊娠や出産の悪影響も指摘されています。

喫煙はさまざまな方向から口腔内の環境を悪化させます。まず、たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素には血管を収縮し、血液の流れを悪くする作用があります。歯肉の血流が悪くなると歯肉に酸素や栄養が十分に行き届かず、歯周病菌と戦う免疫機能も低下してしまいます。一酸化炭素には、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンと結びつき、酸素の運搬能力を低下させる作用もあり、歯肉はさらに酸素不足に陥ります。
結果、歯周病を引き起こしたり悪化させることにつながります。一方で、喫煙は歯肉の細胞の活性を抑制する為、炎症を起こした歯肉の回復を妨げ、治りにくくします。また、唾液の分泌を抑制する為、唾液の洗浄作用や殺菌作用が十分に働かず、歯周病菌を増殖させる原因にもなります。

*電子たばこなら良い?

たばこの煙には4000種類の化学物質が含まれそのうちの200種以上は有害物質、発がん性物質は70種と言われています。その中でも特に有害とされている物質が「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」です。

一般的に葉を燃やすことで発生するといわれている「タール」「一酸化炭素」を電子たばこは独自の機械でたばこの葉を燃やすことで、「タール」「ニコチン」の発生が抑えられるため、歯周病リスクは減少するかもしれませんが、歯周病へのリスクだけでなく、全身へのリスクをなくすには、やはり喫煙しないことが望ましいと考えられます。

診療メニュー

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